

9月12日から13日、まだ夏の暑さが残る大阪で新知創造学際ハブの研究会と一般講演会が開催されました。主催は大阪公立大学 文学研究科 人文学学際研究センターで、会場は昨年秋にオープンしたばかりの森之宮キャンパス新校舎でした。
12日の午後、一般講演会「人文学を科学する」が開かれ、翌13日の午前に研究者向けの研究会「科学で文化財の可能性を拡張する」がありました。
それぞれの受付では要旨集のほか、大阪公立大学所蔵の浮世絵をモチーフにした新知創造学際ハブの壁新聞/ニュースレター創刊号が配られました。
一般講演会「人文学を科学する」
講演会は森之宮キャンパス3階の講堂に10代から70代まで120余名が集まり開催されました。同時にウェビナーでの配信も行い、50余名がオンラインで参加しました。
大阪を中心とした近畿地方など各地の遺跡の話が続き、金や銀は出たのかという質問が複数ありました。また一般的な出土遺物の保存についての講演の後には、参加した市民から発掘後のクリーニングや保存についての質問が出ていました。また、発掘に関する研究倫理についての質問もありました。さらに、錦絵の絵の具の講演の後には、染物に詳しい方から藍について、また、肉筆の絵と版画の絵の具の違いについての質問もありました。
終了後のアンケートでは、「人文学と科学の接点が新鮮。今後も開催してほしい」「文系なので理科系の話はなかなか難しいが興味深い」という感想がありました。また、「成果をもっと分かりやすく、(文系と理系の)共同研究はいいものだと皆が納得できるようにしてほしい」という声もありました。
文理の共同研究について、約7割の方が応援したいと回答し、2割の方が自分でも取り組んでみたい、あるいは既に取り組んでいると答えました。
| 講演1 | 近世大坂における銅精錬業 ―住友銅吹所跡の発掘調査より― | 松尾 信裕(元大阪歴史博物館) | |
| 講演2 | 埋蔵文化財の保存処理と調査研究 ―出土金属製品について― | 初村 武寛(元興寺文化財研究所) | |
| 講演3 | 埴輪の蛍光X 線分析法で何がわかるか?―近年の研究動向および分析事例から― | 犬木 務(大阪大谷大学) | |
| 講演4 | 絵具からみる錦絵の色彩表現の移り変わり | 島津 美子(国立歴史民俗博物館) |









研究会「科学で文化財の可能性を拡張する」
講演会の翌日は朝から、大阪城が見える文学部の教室で研究会「科学で文化財の可能性を拡張する」が開かれました。新知創造学際ハブに関わる研究者を中心に、70名が現地で、およそ40名がオンラインで参加しました。
4件の研究報告が行われ、研究者同士の議論が交わされました。
| 研究報告1 | 大県遺跡からみた古墳時代後期の鉄素材流通と金属製品の生産 | 鈴木瑞穂(日鉄テクノロジー九州事業所) |
| 研究報告2 | 硫黄同位体比分析を用いた朱の産地推定の試み | 南武志(奈良県立医科大学) |
| 研究報告3 | 蛍光X線分析法によるいくつかの文化財試料の元素イメージング | 辻幸一(大阪公立大学 工学研究科) |
| 研究報告4 | X線CTを利用した古代瓦研究の新手法 ~いわゆる新羅系瓦の再検討を通して~ | 舘内魁生(東北学院大学 文学部歴史学科) 鹿納晴尚(福井県立大学 恐竜学部) 細萱航平(東北大学 学術資源研究公開センター 総合学術博物館) |









懇親会
12日の夕方には大阪城公園を見渡せる12階のスカイラウンジで研究会参加者の懇親会が開かれました。異分野の研究者同士の名刺交換や久しぶりの再会、あるいは議論の場となりました。
来年度の研究会主催校となる予定の島根大学 岩本 崇 准教授からも挨拶がありました。




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