IKH - 新知創造学際ハブ

岩手大学平泉文化研究センター訪問: 陶磁器の生産と流通の解明に向けた、胎土と釉の原子スケール分析の検討

 歴史資料の化学組成は、資料が作られた地域によって異なるため、産地や地域間交流に関する文化的な情報を与えてくれます。岩手大学平泉文化研究センター(以下、センター)では、この観点から中国陶磁器の胎土分析を精力的に進められています。

 7月12日に岩手大学にて開催された研究会後に、新たな視点での陶磁器分析の可能性について、センターよりお話をいただきました。そこで、 東北大学金属材料研究所の学際ハブ推進メンバーがセンターを訪問し、これまでに利用されている蛍光X線分析機器と試料の実物を拝見し、分析プロセスの説明を受けました。その上で、材料科学の分析手法を一歩踏み込んで活用ができるか文化財研究者と材料科学研究者が一緒に検討しました。

 その結果、胎土と釉の原子レベルの結晶配列まで解析することに着目し、センターと金属材料研究所の分析機器を相補利用しつつ、必要に応じて放射光を利用した包括的な材料分析を実施してゆく事となりました。学際ハブを通じて新たな物差しを得ることで、陶磁器研究の新たな事例となることをめざします。

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