IKH - 新知創造学際ハブ

金属遺物ユニット研究会「大阪の鉄生産遺跡」を開催しました

6月12日、新知創造学際ハブの「金属製考古資料分析ユニット」、通称「金属遺物ユニット」の第6回定期研究会がオンラインで開催されました。

金属遺物ユニットとは

学際ハブの「ユニット」とは、学際ハブで繋がる多くの分野の研究者たちがテーマを絞って情報を共有し議論する場です。

この金属遺物ユニットは、東北大学 総合学術博物館の藤澤 敦 教授が幹事となって、原則第二木曜日の16時30分から1時間30分の予定で定期研究会を開催しています。

5月はお休みだったため、2か月ぶりの開催となりました。

今回の話題

話題提供者は大阪公立大学 文学研究科の岸本 直文 氏で、タイトルは「大県(おおがた)遺跡と田辺遺跡」です。大阪の古墳時代最大の鍛冶工房と考えられている柏原市の大県遺跡と、大和川を挟んで反対側にある田辺遺跡について、現地調査の写真を交えてお話がありました。

この遺跡では、主に5世紀後葉(末期)から8世紀にかけて使われていた鍛冶炉が多数発見されています。それらから出土した、鍛冶作業後に残された鉄滓(「てっさい」と読みます。スラグとも呼ばれます)の分析から、精錬鍛冶なのか鍛錬鍛冶なのか、原料の産地はどこかなどが検討されてきました。しかし、まだ専門家の意見が分かれており、多くの課題が残っているとのことでした。

質疑応答の時間には、鉄滓に含まれる鉛の同位体分析についての質問をきっかけに、国内や海外での研究事例や今後の分析可能性などについて議論が盛り上がりました。

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次回のお知らせ

次回の金属遺物ユニットは7月10日16時30分からの予定です。話題提供者は島根大学の岩本 崇 氏で、テーマは「弥生・古墳時代の青銅器サプライチェーンを考える」です。

学際ハブの活動に関心を持ってくださる研究者で、金属遺物ユニットに参加ご希望の方は、学際ハブ推進室までご連絡をお願いします。

※Googleフォームが立ち上がりますので、[お問い合わせ項目]では「研究会等イベントについて」を選択してください。

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