私たちの歴史や文化の足跡は、さまざまな科学技術と結びつくことで、これまで以上に深く、鮮やかにその姿を現します。本講演会では、考古学・自然史財学と材料科学が協力することで解明される歴史の謎や、最新の研究成果について各分野の専門家がわかりやすくお伝えします。歴史と科学の協働が生む新たな発見の世界へ、ぜひ足をお運びください!
開催概要
日時:2025年2月15日(土)13:30〜16:00
会場:東北大学金属材料研究所 2号館講堂 (宮城県仙台市青葉区片平2-1-1)、
および、Zoomウェビナーによるハイブリッド開催
対象:歴史や考古学に興味がある方、科学技術が好きな方、どなたでもご参加いただけます!
参加費:無料
定員:現地参加 約100名 、オンライン参加 約300名
申込み:下記のGoogleフォームよりお申し込みください。
https://forms.gle/CNvHWFgHMu89WHif9
(オンライン、現地参加ともに事前登録が必要です。現地参加希望の方で上記フォームでのご登録が難しい方は直接会場で受付をしていただくことも可能です。)
申込み締切:2025年2月10日(月)
ご講演者(敬称略)と演題:
▪北川 淳子 福井県年縞博物館
「年代のものさし」になった水月湖の年縞
▪津村 眞輝子 古代オリエント博物館
古代オリエントの金属貨幣(コイン)の誕生と発展
▪平原 英俊 岩手大学 平泉文化研究センター
平泉研究と理工学
▪藤澤 敦 東北大学 学術資源研究公開センター
仙台城大手門復元と先端科学技術
主催:東北大学 金属材料研究所「人文科学と材料科学が紡ぐ新知創造学際領域の形成」事業
また、一般講演会後に、学際的な活動を行う有志学生団体「EKKYO.HUB®」と共催で、対面イベント「EKKYO.conference#20 ~脳神経科学×アートで紐解く まなざしの向こう側~」を開催いたします。こちらも合わせてぜひご参加ください。
一般講演会に関するお問い合わせは、東北大学 金属材料研究所 新知創造学際領域形成推進室にお願いいたします。
推進室:TEL:022-215-2716/2254 e-mail: imr-ikh@grp.tohoku.ac.jp
講演の概要

「年代のものさし」になった水月湖の年縞
北川 淳子 福井県年縞博物館 学芸員(博士)
福井県の若狭湾に面した場所に5つの湖があり、三方五湖と呼ばれています。その中の水月湖の底に7万年分、45mの年縞堆積物があります。年縞とは1年毎の縞模様のある堆積物のことです。この年縞を利用した研究で、約5万年前までの年代が正確に測れるようになりました。その経緯と、水月湖の年縞堆積物のこれからの研究の可能性を紹介します。

古代オリエントの金属貨幣(コイン)の誕生と発展
津村 眞輝子 古代オリエント博物館 館長
古代オリエントのコイン(金属貨幣)は紀元前7世紀頃に東地中海域に誕生しました。人間と金属の出会いに始まってコインが誕生する背景、その後広く流通するようになった歴史を紹介します。

平泉研究と理工学
平原 英俊 岩手大学 平泉文化研究センター 教授
平泉文化の研究は、単に歴史学や考古学など文系の学問分野のみで行われているのではありません。岩手大学では、2012年の平泉文化研究センター発足以来、分析化学・鉱物学・植物学など理系の学問諸分野とともに平泉研究を進めてきました。近年は、東北大学などと学際ハブを形成し、材料科学の側面からも研究を進めています。このような事例を紹介しながら、理工学からの平泉文化研究への貢献について考察します。

仙台城大手門復元と先端科学技術
藤澤 敦 東北大学 学術資源研究公開センター 教授
桃山様式の豪壮な構えで知られ、戦前は国宝にも指定された仙台城大手門は、1945年7月の仙台空襲で焼失してしまいました。史跡整備の一環として、大手門の復元を目指した発掘調査が昨年度から開始され、焼失時に収集された金具などが遺存していることも、新たに分かってきています。今後、大手門の復元を目指すにあたって重要な役割を担う3次元計測技術や材質分析技術など、様々な先端科学技術について考えてみたいと思います。
〈一般講演会チラシ〉

