きんけん一般公開とは
きんけん一般公開は片平まつりの一環で、2年に一度金属材料研究所(金研)一部の建物を公開して開催されています。今年は、コロナ禍以降、入場制限を設けない久しぶりの開催となりました。当日は冷たい雨にもかかわらず、千人を超える来場者が金研を訪れました。
金研の広報班マスコットの「きんけんちゃん」もあちこちの建物を回って大忙しです。



新知創造学際ハブのブース
新知創造学際ハブ推進室は、金属材料研究所4号館1階で「あなたなら銅鏡をどう調べる?」と題して出展しました。銅鏡を観察し、破壊分析について考え、金属試料などを測る実験を体験できます。
そのほか、新知創造学際ハブが制作した事例集の展示や、実験の待ち時間に磁石で遊べるコーナー、新知創造学際ハブのショート動画が流れるモニターを設置しました。


銅鏡コーナー
学際ハブが所有する銅鏡を実際に手に取って見てもらうコーナーです。
この銅鏡は直径9 cmほどで、その文様から「虺龍文鏡(きりゅうもんきょう)」と呼ばれます。虺龍とは竜のことです。今から二千年くらい前に中国大陸で作られたと考えられています。
これまでに行ったX線や電子線を使った分析についての説明や、銅鏡の原材料の展示も行いました。銅鏡は青銅(銅と錫の合金)でできていますが、鉛などが入っているものもあります。






アンケート
人文科学が扱うモノを材料科学の観点で分析しようとすると、実際に中を見てみないとそれ以上は分からないという局面が出てきます。非破壊分析が正しい結果を出しているか検証するためにも、破壊分析は必要とされます。法的に問題はなくても、壊したら二度と元には戻りません。
今回は、銅鏡はたくさん出土しているということをお伝えしたうえで、来場したみなさんにアンケートに答えていただきました。アンケートは2つあり、チャートの当てはまるところにシールを貼る方式です。およそ200人がシールを受け取りました。
縦軸は「銅鏡を科学的に調べることに賛成かどうか、興味があるかどうか」で、上に行くほど賛成・興味があることを示します。横軸は「銅鏡を切って調べていいかどうか」で、右は切ることに賛成、左は反対です。シールの色は年代を表し、大人には赤、中学生以上の学生は青、小学生以下の子どもは黄色です。
アンケートの結果、参加者の大部分が銅鏡を科学的に調べることに興味があることが分かりました。また、学生と大人では、銅鏡を切って調べてもいいと考える人の方が、切らない方がいいという人よりも多い傾向にあることが分かりました。


実験コーナー
銅鏡を科学的に調べることを考えた後は、実際に試料に触れて観察したり測ったりする体験コーナーが待っています。金属などから調べたい物質を選び、調べたい方法を選んで実験計画書に記入します。
この日は、6時間で56人が実験を行いました。一番人気は22番のマンガン(Mn)でした。中には、青銅2種の密度比較を行った方もいました。






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