IKH - 新知創造学際ハブ

What is the Bronze Mirror

銅鏡とは

古代の人々が使っていた青銅製の鏡

銅鏡の材料は青銅(ブロンズ)です。青銅は銅Cuと錫(すず)Snの合金ですが、東アジアでは鉛(なまり)Pbが加えられることが一般的です。融かした青銅を鋳型に流し込んで作られます。

銅鏡は古代の中国で盛んに作られ、実際に使われていたと考えられています。特に、漢の時代(西暦元年を挟んで約400年間)の鏡は、日本列島にもたくさん運び込まれたことが分かっています。

日本の遺跡から出土する銅鏡には、中国から伝わってきたものと、それを真似て日本列島で作られたものがあります。

鏡の裏面中央にはひもを通す穴があり、その周りには竜などの絵や模様、文字が刻まれている例が多いそうです。

人文科学者が調べたいこと

考古学者が知りたいのは、原料はどこで採られたものか、銅鏡をどこでどうやって作ったか、などです。どこで作ったかは記録などで分かっている場合もあります。原料の産地が分かると、その時代のものの動きやお金の使い方、生活のようすが見えてきます。どうやって作ったかについては、鋳型に鋳込むときの条件(温度コントロールなど)や磨き方などに関心が持たれています。

原料の産地を探るには・・・

銅鏡の原料である青銅に不純物として含まれることが多い鉛Pbには、性質が同じで質量がわずかに異なる放射性同位体があり、同位体の成分比の特徴は鉱山ごとに異なります。原料の産地を割り出すことができる可能性があり、考古学では、近年鉛同位体比分析が盛んに行われています。

製造条件を探るには・・・

鋳型に融けた金属を流し込むと、冷え方に差ができるため、流し込んだ向きが分かると言われています。その先、科学分析でどこまで分かるかが期待されています。

二人の人が融けた金属が入った容器を傾け、鋳型に流し込んでいるイラスト
鋳込みのイメージ

材料科学者が調べたいこと

材料の研究者は、新しい材料を開発するなど、現在と未来の問題解決のための研究をしています。つまり、大昔に作られたものを調べることはほとんどありません。しかし、金属材料研究所(金研)の研究者たちは銅鏡に興味津々。「作られてから2千年も経った金属の中で、原子がどうなっているか調べられるチャンスなんてない!」からです。遠い未来まで材料の機能を保たせるためにはどうしたらいいか、銅鏡の研究がそのヒントになるかもしれませんね。

材料としての金属を調べる方法はたくさんあります。金研では、通常、小さな板にしたり、粉状にしたり、融かしたりして調べます。
流し込んだ方向が分かったらその向きに沿って中央部分を厚さ2mmの短冊状にし、8つの断片にして、位置による違いを調べる複数の実験手法が検討されています。

文化財の分析の鉄則

文化財は、長い歴史の中で生まれ、今日まで守り伝えられてきた貴重な財産です。ですから、壊さずに調べるのが鉄則です。考古学者は、できるだけ文化財を壊さずに調べる方法を探ってきました。

また、指定文化財は場所の移動も制限されるため、その場で調べる方法も工夫されてきました。

金属材料研究所の新知創造学際ハブでは、科学的な調査を進めていくために銅鏡を購入しました。金属内部の材料分析はこれまでにあまり例がなく、特別な例と言えます。人文科学者と材料科学者が議論しながら慎重に進めています。

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